この記事の信頼性
- 筆者は颯 Souで作曲家です
- アコギが好きです
- ボカロ曲は20曲リリースしました
- このブログを「soublog」と覚えてください
- 読者に有益な情報となり、少しでも日々の生活を明るくできるよう心がけて執筆します
作曲をしている人にとって、AIの技術はどのように感じていますか?
AIを脅威だと感じる人がいるかもしれません。
完全にAIで作曲した曲は、結論からいいますと著作権がありません。
なぜなら、AIの曲に著作権を認めると、人の芸術活動を破壊するからです。
AIは、大量に音楽を作りだすことができます。
もし、AIに著作権が認められるなら、先にAIで大量に音楽を作成しておくことが可能です。
そうなれば誰かがオリジナルで作曲した曲に対して、これはAIによって作られた曲に似ていて著作権侵害だと言われてしまいますよね。
このAIの作品の乱用により人々の芸術の創作活動を破壊してしまうんです。
このような側面をもっていることもあり、AIの著作権は認めないとなっているようですが、一方、AI開発者にも何か権利を与える必要があるように思います。
それは、AIにより、短期間に音楽を生み出せるということは、安価に利用できるという意味で利用者にメリットがあります。
著作権では、人が作った時点で著作権が認められますが、AIの場合は、作品に価値が出てきたらその時点で著作権を登録するといった案があるようです。
目次は次の通りです。
・AIで作曲した例
AIは人工知能(Artificial Intelligent)で、人間が行う知的なふるまいを、コンピュータのプログラムを用いて人工的に再現したものです。
AIを、作曲に取り込もうとするエンジニアがいます。
今回ご紹介するのは、Amper Musicです。
Amper Score™で作成された音楽は著作権使用料が無料ということなので、動画にこの音楽を使ってみてもいいですよね。
アメリカ人のポップシンガーのTarynさんは、このAmper Musicで音楽を作りました。
TarynさんはAIではありません。
Tarynさんが歌っているBreak Freeは、アーティストとAIによるコラボレーションのようなものです。
・AIで作曲する場合の著作権上の問題
AIは人工知能(Artificial Intelligent)で、人間が行う知的なふるまいを、コンピュータのプログラムを用いて人工的に再現したものです。
知的なふるまいの例としては、作曲もそのうちの一つです。
AIを行う上で、機械学習というの方法があります。
機械学習は様々なデータから学習し、コンピュータが経験することで、知的なふるまいができるようになるというものです。
機械学習の一手法であるのが、ディープラーニングという手法です。
コンピュータはデータをもとに学習していきますが、それでは、その元となるデータとは何でしょうか。
それは、これまで作曲家が作曲した音楽になります。
このデータベースをコンピュータが認識するのは、一種の複製行為であり、著作権者の承諾を得ない限り著作権侵害となっていました。
現状の著作権法(2019.04.01 更新)を引用すると、第三十条の四では、下記となってます。
(引用文献 CRIC 公益社団法人著作権センター)
第三十条の四 著作物は、次に掲げる場合その他の当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合には、その必 要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作 権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
一 著作物の録音、録画その他の利用に係る技術の開発又は実用化のための試験の用に供する場合
二 情報解析(多数の著作物その他の大量の情報から、当該情報を構成する言語、音、影像その他の要素に係る情報を抽出し、比較、分類その他の解析を行うことをいう。第四十七条の五第一項第二号において同じ。)の用に供する場合
三 前二号に掲げる場合のほか、著作物の表現についての人の知覚による認識を伴うことなく当該著作物を電子計算機による情報処理の過程における利用その他の利用(プログラムの著作物にあつては、当該著作物の電子計算機における実行を除く。)に供する場合
第三十条の四の二には、著作物は、多数の著作物その他の大量の情報から、当該情報を構成する言語、音、影像その他の要素に係る情報を抽出し、比較、分類その他の解析を行う場合において利用することができる。
と書いてます。
つまり、作曲家が作ったたくさんの音楽のデータベースを解析して、AIで作曲ができるということです。
・AIで作曲する場合の著作権のゆくえ
AIで作曲することはできたとして、AIの作曲で、著作権は認められるのでしょうか。
ここで、AI関係の著作権で次のように分類できます。
(1)人間のみの手で作られたもの
人間に著作権が認められます。
(2)AIを道具として利用し、人間が作ったもの
人間が関与した場合は、人間に著作権が認められます。
(3)AIのみ作ったもの
著作権は認められません。
著作権法の第二条には定義が書かれており、下記内容が書かれています。
思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
二 著作者
著作物を創作する者をいう
このように、著作物は、思想や感情を創造的に表現したものと書かれている以上、対象が人間であること思われます。
少しSF的な内容になりますが、コンピュータの感情はプログラムの実行結果であり、人間の感情とは異なるものと認識されます。
話を戻しますと、作った国によって著作権法は異なるので定かではありませんが、Break FreeのTarynさんには、もし作曲でAIを道具として使って、作曲に関与したならば、著作権が認められますよね。
・まとめ
AIの進出にって芸術の創作活動ができなくなるのは問題です。
・AIを道具として人間が作った楽曲は著作権が認められる。
・AIのみで作った楽曲は著作権は認められない。
この2点からひとまずは安心ということではないでしょうか。
一方、AIがもたらす恩恵も、図り知れません。
これより、芸術を守りつつ、AIの開発者にインセンティブを与え、より豊かになるような著作権法であってもらいたいです。
なお、知財推進計画2016は、参考になりました。
興味のある方はどうぞ。
・注意点
この文書には、著作権の話が出てきますが、著作権法を引用し、できるだけ正確な情報をお伝えすることに勤めていますが、この投稿の解釈は、弁理士などの専門家の見解ではなく、颯 Souの解釈となっています。
利用の判断は自己判断、もしくは専門家へ相談ください。
参考文献
▶世界初、人工知能作のアルバムとミュージックビデオ。聴いてみるとわかる…なんだか不気味なメロディー
▶進化する機械学習パラダイス ~改正著作権法が日本のAI開発をさらに加速する~ STORIA法律事務所
▶AIの創作物に誰が著作権を持つのか?AIの法律問題を弁護士が解説 TOPCOURT
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